モーツァルト・ピアノ協奏曲『戴冠式』【そらブログ vol.3】
皆様こんにちは。
ピアノの森希美です。
今回6年ぶりに、モーツァルトの協奏曲を弾かせていただきました。
とても嬉しく思う反面、お話をいただいたときは、「またあの緊張がやってくるのか…」と少し怯えていました。
また、コロナ禍で、本番がキャンセルになったり延期になったりと、以前に比べて本番の感覚が衰えているのではないかと、とても心配になりました。
ですが、練習を始めて、奏楽のメンバーと久々に音を合わせると、
「あぁこれこれ!アンサンブル楽しい!!」と、喜びを隠せませんでした。
今回はいつもの協奏曲とは違い、ピアノの前に弦楽器が配置されました。
オーケストラの時は、大人数を背負うという感覚でしたが、
弦楽器4人とのアンサンブルはより密で、近いところで会話をしているようでした。
5人それぞれの音楽が際立ち、ダイナミックな仕上がりになったと思います。
今回演奏した「ピアノ協奏曲第26番」は、通称《戴冠式》とも呼ばれ、
今でも多くの人々に親しまれています。
素敵なメロディーが、ピアノソロにも弦楽器にも、たくさんちりばめられています。
しかし、“カデンツァ”が残されていません。
(カデンツァ…楽章の途中でソリストが一人で自由に演奏する部分。モーツァルト自らが書き残している曲もある。)
つまり演奏者には、「自作する」という作業が課せられます…。
今回一番苦労したのは、この部分でした。
作り始めたものの、「これでよいのか…モーツァルトに申し訳ないのではないか…」
様々な葛藤がありましたが、ようやく完成した渾身のカデンツァも、ぜひお聴きください!
収録ということもあって、今までにない緊張感もありましたが、
自然に囲まれた素敵な会場で、思い切りピアノ協奏曲を演奏できたこと、
とても嬉しく思います。
どうぞお楽しみください。